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2023-02-23

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「銅線」事業からエネルギーの「金の緑」へ。大亜グループのDouble E投資戦略とは何か?

曾令懐 2023/02/21

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▲(画像出典:数位時代提供/侯俊偉撮影) (https://reurl.cc/lZq2Aj)

       大亜グループの沈尚弘董事長(冒頭画像)は「バフェットはこう言っている。成熟した産業はもう伸びしろがないということではない。大亜グループは安定して成長しているが、社外を見て今成長している産業はどれくらいあるだろうか。私たちとの関連性が見つかれば、私たちの第二の成長曲線になるだろう」と語ります。

       Intelが1980年代に主力をマイクロプロセッサに移したのと同じように、1955年創業の大亜グループはまさにIntelと似たような転換の段階にありました。大亜グループは電線・ケーブル事業が主で、高圧ケーブルから電気オートバイ、イヤフォンのエナメル線コイルまでが業務範囲です。2022年の年間売上高はおよそNT$270億元に迫りましたが、大亜グループは次の成長の力を探し求めています。

       企業投資にはイノベーションと第二成長曲線を探し求める方法があります。「外部で成長している産業」が見えるよう大亜グループは早くも1998年に大亜創投ベンチャーキャピタルを設立し、「Double E投資」——これは電気機械工学のDouble E(Electronical Engineering)ではなく、エネルギー(Energy)と振興のエマージングなのです(Emerging)。

「銅線」思考から脱し、製品の本質から次の成長につながる「金の緑」を見つけ出す

       1998年、大亜グループは投資をイノベーションの手段とするべく、大亜創投ベンチャーキャピタルを設立して沈尚弘氏が董事長に就きました。 「だが当時私たちが投資していたのはベンチャー企業だけではなく、他の多くの成熟した企業にも投資していた」沈尚弘は「大亜グループは当初、プリント基板に使う銅粉、銅球や工業技術設計と結びついた金属携帯電話ケースなど、本業に関連する電線原料である「銅」を延長アプリケーションと転換の基礎として投資していた」と語ります。しかし、依然として電線ケーブル、銅材料、エナメル線などの事業とその周辺に関して展開しており、いかに革新的な事業を創出するかが2010年代に入ってからの重要な課題となっていました。全社の重要部門の主管が頻繁に会議を開き、議論していました。

       「電線ケーブルの本質とは何か?それは電力の輸送である。ではエナメル線の本質とは何か?それはエネルギーの変換である」沈尚弘が語る本質とは、大亜グループが過去数十年にわたって市場で提供してきた価値の中心——エネルギーです。「この角度から見ると、エネルギーは生成、変換、伝送、貯蔵から管理までにおいて全て私たちの新たな機会である」

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▲大亜グループの沈尚弘董事長は電線ケーブルも、エナメル線も実はどれもエネルギーだと語る。(画像出典:数位時代提供/侯俊偉撮影)

       2014年、長年経営を続けてきた大亜グループは、大亜緑能科技公司を設立して太陽光発電産業に参入し、会社のポジションを「エネルギー接続のリーディングブランド」に調整しました。現在旗下には合計207MWの設備容量を有する62か所の太陽光発電所があり、これらの投資は大亜グループの2021年における利益のNT$14億元のうち約NT$2億2000万元(約15.7%)を占めています。

電気自動車に留まらず、大亜グループの投資レーダーは宇宙用モーターまでキャッチ

       ここ数年エネルギー事業に注力している大亜グループは、太陽光発電所への投資だけではなく、エネルギー関連ベンチャーの動きにも注目しています。沈尚弘董事長は大亜創投ベンチャーキャピタルはスマート省エネルギーの聯齊科技や球状モーターをコアテクノロジーとして宇宙分野に注力する張量科技に投資しています。

       張量科技が扱う宇宙分野は大亜グループが注目するエネルギーと距離があるようにも見えますが、これについて沈尚弘董事長は「モーターは運動エネルギー、電気エネルギー、光エネルギー、音響エネルギーなどの変換の範囲にあるので大亜グループの投資の範囲内にある」と語っています。さらには電気自動車用モーターのニーズも大亜グループの投資対象であり、またモーター用エナメル線のニーズは本来大亜グループの主力事業なのです。

       新興テクノロジーとベンチャー企業の判別基準をどうするか?沈尚弘は早期のチームであるほど、人格的特徴が重要になると考えています。

       「私たちは投資の際に物事と人を見る。なぜそうするのか?その価値は何か?どんな問題が解決できるのか?そのソリューションはなぜ他人のものよりも優れているか?これらは物事に対するDD(Due Diligence,デューデリジェンス)である。そして人格的特徴にはリーダーシップや環境の変化に素早く適応できる能力、コミュニケーション能力も含まれる。そして私が最も重要だと考えるのは堅持することと決心。起業は全て順調にいくことはあり得ないからだ」 」

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▲大亜グループの沈尚弘董事長は張量科技のスタートアップチームには意志力があると考える。画像は張量科技のスタートアップチーム顔伯勲、李尚融、侯淞喨と謝勛丞。(画像出典:張量科技提供)


       張量科技を例に挙げると、衛星と宇宙産業は大きなトレンドであり、張量科技の技術にも優位性があり、「物事」に関する要件はクリアしています。ですが沈尚弘董事長に投資を決断させたのは張量科技の創業者たちの堅持と忍耐力です。「彼らは若いが、非常に活発で積極的で萎縮しない。テクノロジーだけに注目していると思っていたが、こんなにビジネスセンスもあるとは思っていなかった」

早めに新興分野に参入して新たなブームに備える

       大亜グループの投資リストには、張量科技や聯齊科技などエネルギーの範疇にあるテクノロジー企業だけではなく、モノのインターネット技術に注力する百応生物科技やバーチャルリアリティーサービスを提供する愛実境と、情報セキュリティ分野のTXOne Networksなどのベンチャー企業も含まれています。

       これは2014年に大亜グループがエネルギー投資に参入した一歩と関係が深いです。沈尚弘董事長は「時代の変化はますます速くなり、企業は事が起きてから行動することはできず、また事前に準備しておくことが必要であるから大亜グループは早期に他分野へ参入するのだ」と語ります。情報セキュリティを例にすると、感染症拡大に伴うリモートワークのブームにより、企業のデータとネットワーク情報セキュリティの重要性がますます高まっており、これが大亜グループがTXOne Networksに投資する理由だとしています。

       沈尚弘董事長は、分野を超えた投資評価能力が大亜創投ベンチャーキャピタルの現在の挑戦だと認めていますが、ニューテクノロジーが必然となるトレンドであるならば、異なる角度からリスクを見る事が必要となるとしています。「私たちベンチャーキャピタルが見るのは、リスクとリターンが比例するかどうかであり、リスクがどれだけ大きいかだけを見る事ではない」と語っています。沈尚弘董事長は「ハイリスク、ハイリターンは常にベンチャーキャピタルの基本であり、これは創業70年近くなる大亜グループにとっても言えることだ」と語っています。

原文出典:Meet創業小聚 ( https://meet.bnext.com.tw/articles/view/50015 )